センサ種類から選ぶ

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 熱電対を使う温度計測は、熱電効果を利用するものです。熱電対とは、2種類の導体(金属線又は合金線)の一端を接合し、電気的に接続したものです。熱電対における規準熱起電力と最大公差はIEC 60584(JIS C 1602)に定義されています。最も広く使用されている熱電対は、ニッケルクロム-ニッケル(Kタイプ)です。

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サーミスタによる温度計測も、センサ要素の抵抗値が温度によって変化する性質を利用しています。ただし測温抵抗体式温度計と違い、NTCサーミスタでは温度係数が負の値になります(つまり、温度上昇に伴い抵抗値は低下します)。サーミスタの特性や公差は標準化されていません。
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 測温抵抗体による温度計測は、金属線(白金線)の抵抗値が温度により変化することを利用します。この測温抵抗体に一定量の電流を流しておき、温度による測温抵抗体の抵抗値の変化を、電圧降下の変化として計測します。測温抵抗体の規準抵抗値と公差はIEC 751(JISC 1604)に定義されています。

センサの特長

熱電対・・・・高温を測定する、または早い応答速度で測定したい場合におすすめ(プローブ径が細いほど応答速度は早い)

NTCサーミスタ・・・・冷凍・冷蔵・常温帯においてシステム精度*¹±0.5℃以内で測定したい場合におすすめ

白金測温抵抗体Pt100・・・・NTCサーミスタよりも広い温度範囲で、さらに高精度で測定したい場合におすすめ

ステム精度の考え方
温度プローブの精度(許容誤差)に加えて、接続する温度計本体の精度を加えたものがシステム精度です。
実際の測定では、温度計本体と温度プローブを接続して測定するため、システム精度が適用されます。

測定範囲

センサを選択する際は、まず、計測範囲に適さないタイプのセンサを選択肢から除外します。 テストーが取り扱う温度センサーの種類と測定範囲を図示します。

許容誤差

希望の測定範囲に対応した温度センサの中で許容誤差を確認します。用途に応じた精度をもつセンサーを選択してください。

応答速度

 応答速度は、各温度センサーの製品ページのテクニカルデータタブで確認することができます。

一般的な応答速度(小さいほど早い)
熱電対 < NTC < Pt100
 
  • t99 = プローブが温度変化の99%を表示するのに要する時間
  • t90 = プローブが温度変化の90%を表示するのに要する時間
  • t63 = プローブが温度変化の63%を表示するのに要する時間
 
一般に下記のような関係性があります。
 
t99 = t63の4.6倍
t99 = t90の2倍

形状・用途別

浸漬 / 中心温度用プローブ

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浸漬プローブ

 液体の温度計測用のほか、粉末や気体の温度計測に使います。

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中心温度(突き刺し)
プローブ

可塑性(粘土プラスチック等)もしくは粘性の物体の中心温度計測に使います

※その他の留意事項

  •  応答速度t99は60℃の流動液体(水)の中で計測した場合の値です。
  • プローブが細いほどに応答時間は早く、計測対象物への浸漬深度は少なくて済みます。
  • 正確な温度を計測するためには、プローブ直径の10倍以上(15倍が望ましい)の浸漬深度が必要になります。
  • プローブが細ければ、それだけ取り扱いに注意が必要です。
  • 熱電対プローブは、直径が非常に細いもの(0.25mm)を作ることができるので、高速応答の計測を行いたい場合や計測対象物が小さい場合に適しています。

気体温度用

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気体温度プローブ

通常は、応答を速めるためセンサがむき出しの状態になっています。

※その他の留意事項

  • 応答速度t99は、毎秒2m/s、60℃の風洞内で計測した場合の値です。
  • 浸漬/中心温度プローブは大気温度の計測に使えます。ただし、応答速度は水中で計測した場合と較べ、40~60倍になります。

表面温度用

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表面温度プローブ

平坦で滑らかな表面の温度測定には、ヘッド部分が平た接触面積が大きい表面温度プローブを使用できます。熱伝導が不足している場合は、シリコンペースト(Tmax 260℃)の使用を推奨しています。

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K熱電対の
表面温度プローブ

高速計測、および粗い表面の温度測定時に適しています。バネ式熱電対により粗い表面にも対応し正確な温度を数秒以内で測定できます。

  • 取扱いが簡単(シリコンペーストは不要)
  • 応答速度が速い。

※その他の留意事項

  • 応答速度t99は、研磨された60℃のスチール表面で測定した場合です。
  • 指定精度はセンサのみの精度です。
  • 個々の用途での実際の精度は、表面の状態(粗さ)や計測対象物の物性(熱容量と熱伝導性)とセンサの精度に依存します。お使いの計測器の測定精度を知りたい場合には、テストーに校正証書の発行をお求めください。
  • テクニカルデータに表示されている情報はセンサのもつ計測範囲です。ハンドルおよびケーブル類は主な表記がない限り+70℃以下でご使用下さい。高温環境下では断熱材などで本体・ハンドル・ケーブル類を保護して下さい。